贈与税の改正項目─平成26年度税制改正大綱─

平成26年度税制改正大綱が与党から発表されました(平成25年12月12日)

この改正案は例年3月に行われる国会で成立したのち、改正されます。

 

□贈与税の主な改正内容(改正時期は各項目により異なります)

 

【医業継続に係る贈与税の納税猶予等の創設(改正時期:移行計画(仮称)の認定制度の施行の日以後のみなし贈与~)

 @持分の定めのある医療法人の出資者が持分を放棄したことにより他の出資者の持分の価値が増加する場合において

 Aその増加額(経済的利益)に相当する額の贈与を受けたものとみなして当該他の出資者に贈与税が課される場合において

 Bその医療法人が贈与時に認定医療法人(仮称)であるときは

 C担保の提供を条件に

 D当該他の出資者が納付すべき贈与税額のうちその経済的利益に係る贈与税額については、移行計画(仮称)の

  期間満了まで猶予する

 Eまたその移行期間内に当該他の出資者が持分のすべてを放棄した場合には猶予税額を免除する

 

 ※認定医療法人(仮称)とは、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律

  に規定される移行計画(仮称)について、認定制度の施行の日から3年以内に厚生労働大臣の認定を受けた

  医療法人をいう

 

  上記文面を見てもピンとこないと思います。

  例をあげて説明しますと

  持分の定めのある医療法人Aに出資者Bさん、Cさん、Dさんがいたとします。

  それぞれ3人の持分が500万円ずつあった場合(医療法人Aの出資金価値合計は1500万円)に

  Bさんが持分を放棄すると医療法人Aの出資金は変わらないわけですから残ったCさん、Dさんは

  もらった覚えはないけど勝手にBさんの持分だけ価値が増えることになります。

  このケースでいうとBさんの500万円→250万円ずつCさん、Dさんへ経済的利益が渡ったとして

  贈与契約していなくても贈与とみなして贈与税が課されることになります。

  また、この経済的利益の計算は持分の定めのある医療法人の場合は出資金額ではなく時価評価(相続税

  評価額)になります。この贈与税額を要件を満たす場合猶予しますよというのが今回創設された特例になります。

 

 普通の会社は要件を満たす場合、すでに相続税・贈与税の納税猶予制度が出来ていましたが、医療法人の場合

 適用できませんでした。今回の制度創設により一部認められたのですが認定医療法人(仮称)に該当しなければ

 事業承継の問題は依然として残ったままと思われます。

 普通の会社もそうですが、認定医療法人に移行するつもりがない医療法人については、是非一度出資金の評価

(相続税評価)をして見てください。当事務所でも承っておりますので。

  

詳細は上記認定医療法人に関する法律が成立したあとになりますが、一定の要件を満たす場合、贈与税の納税猶予を

  受けられる可能性があります。ただし、いったん猶予されても、持分の払い戻しや持分の定めのない医療法人に移行しなかった場合又は認定の取り消しがあった場合等には猶予税額を利子税と合わせて納付する必要がありますのでよく検討する必要があります。

 

【その他主な改正項目

 ・農地等に係る贈与税の納税猶予制度の一部見直し

 ・住宅取得等資金の贈与税の非課税措置及び相続時精算課税の特例の対象家屋の追加

  (既存住宅用家屋の範囲に取得の日までに耐震改修工事の申請、居住までに工事完了等一定の要件を満たすものを加える)

 ・住宅取得等資金の贈与税の非課税措置で東日本大震災の被災者の場合、警戒区域設定指示等の対象区域内

 に居住していた者に係る受贈期限を警戒区域設定指示等の解除後1年(現行3月)に延長

 

【改正のポイント】

 相続税と同じように贈与税でも、上記医療法人の納税猶予以外で大きな改正はありませんでした。

 医療法人については、将来をどうするのかをしっかり検討し、納税猶予が受けられない場合の事業承継を検討する

 必要があると思います。

 

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