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澄田卓哉税理士事務所

日本税理士会連合会中国税理士会所属

中小企業の事業承継をスムーズにするための制度として経営承継円滑化法が制定されそれに伴い税制においても事業承継関連税制ができました。

この制度は、中小企業の株式が世代間で承継される際に大きな税負担を伴うことがないように、相続税や贈与税の納税猶予を図って、中小企業の事業存続をバックアップしようというものです。

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事業承継税制の制度は平成30年4月1日に新たな承継税制が加わり、これまでのものを一般措置とし新たに出来たものを特例措置とした2つの承継税制が存在することになりました。

◇一般措置◇

中小企業等の後継者が、相続等によりその会社の株式を被相続人から取得した場合相続税を納税しなければなりませんが、一定要件を満たせばその株式に係る相続税の80%が納税猶予される制度です。

また、相続だけでなく贈与の場合も、一定要件を満たせばその株式に係る贈与税の100%が納税猶予される制度です。

どちらも発行済議株式総数(議決権制限株式を除く)の3分の2まででこの中には後継者が既に保有していた議決権株式数が含まれます。

◇特例措置◇

猶予割合は100%となり、猶予の対象となる株式は一般措置は発行済株式総数の3分の2までですが、特例措置の場合は全部が対象となります。(どちらも議決権制限株式は除く)

 今まで、中小企業の経営者の方々は世代交代のたびに相続税や贈与税の税負担に苦しんで来られました。土地の時価が高かったり、相続税の税率が高かったときなど本当に苦労されていました。

 また、不動産や会社の業績は右肩上がりが普通だったころは相続税を負担してもなんとか継続が可能でしたが、現在の情勢だと本当に身を削って相続税を捻出しなければならない状況でした。

そうした状況を踏まえ、やっとという感はありますが事業承継時における税負担の軽減を図るこの制度ができました。特に税負担で事業承継をお悩みの方は是非この制度を検討して会社の存続の一助になさってください。

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会社の状況によってはかなりの税軽減が図れるこの制度ですが一定の要件をクリアしなければなりません。また、納税猶予でも相続と贈与ではその趣旨から若干要件も異なってきます。

◇一般措置◇

 相続税・贈与税の申告期限までに都道府県知事の認定を受ける必要があります。

(申請して認定がおりるのは通常2か月前後必要でもっとかかる可能性もあり)

◇特例措置◇

まずは第一段階として、特例承継計画(※)を都道府県に提出し、確認を受ける必要があります。

(この計画は2023年3月31日までに提出する必要があります。)

その後、相続や贈与があった場合に申告期限までに都道府県知事の認定を受ける必要があります。

(2027年までの相続・贈与につき適用可能となっており、2023年3月31日までは特例承継計画と認定申請は同時に提出できることになっています。)

※特例承継計画は認定経営革新等支援機関の指導及び助言が必要

いずれの場合も、認定申請をして認定がおりるには時間がかかります。実務上、申告期限ギリギリに認定がおりても相続税の申告書を作成する税理士側としては間に合わない可能性がありますので、納税猶予を受けるためには、相続開始後(贈与の場合は出来れば贈与前)すぐに相談されることをお勧めします。

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一般措置の要件

1.被相続人の要件

 ①被相続人が代表者であったこと。(相続開始直前に代表者である必要はありません)

 ②代表者であった当時、確認時及び相続開始時において被相続人と同族関係者で

  その会社の発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有したこと

 ③代表者であった当時、同族関係者内で筆頭株主であったこと

  (このときの判定は同族関係者に特定後継者を含めて判定します)

 ④確認時および相続開始時において同族関係者内で筆頭株主であること

  (このときの判定は同族関係者から特定後継者を除いて判定します)

  特定後継者とは経営を承継する相続人のことです。

2.経営承継相続人等の要件

 ①会社の代表者であること(相続開始後5ヶ月経過時において代表権を有していること)

 ②被相続人の親族であること(遺言などで遺贈する場合には法定相続人でなくても親族であればこの要件に該当します)

 ③同族関係者と合わせて発行済議決権株式総数の過半数の株式等を保有し、かつ同族内で筆頭株主となること。

3.認定対象会社の要件

 ①下記の大臣認定対象外となる会社に該当しないこと

  ・上場会社

  ・経営承継円滑化法上の中小企業者に該当しない会社(医療法人等はここに該当します)

  ・風俗関連事業を行なう会社

  ・実質的な子会社(同族関係者と合わせて発行済議決権株式総数の50%超保有)が上の3つの要件のいずれかに該当する会社

  ・総収入金額がゼロの会社

  ・常時使用する従業員がゼロの会社

  ・相続開始日以降5ヶ月経過する日の常時使用する従業員の数が相続開始日のそれと比べて8割未満の会社

■経営承継円滑化法上の中小企業者にとは

中小企業基本法の中小企業であることをいい、下記表の資本金又は従業員数のどちらかの要件を満たせば中小企業に該当します。  

 原則 資本金  従業員数  政令により範囲拡大 資本金  従業員数 
 製造業その他  3億円以下  300人以下  ○ ゴム製品製造業※  3億円以下 900人以下 
 卸売業  1億円以下  100人以下        
 小売業  5千万円以下  50人以下        
 サービス業  100人以下  ○

ソフトウェア・情報処理

サービス業 

 3億円以下 300人以下 
 ○ 旅館業  5千万円以下   200人以下

※ゴム製品製造業からは自動車、航空機用タイヤ、チューブ製造業及び工業用ベルト製造業が除かれます。

 資本金か従業員数の要件のどちらかを満たせばいいです。

②資産管理会社に該当していないこと

 この納税猶予制度はいわゆる資産管理会社の株式には適用されません。

 資産管理会社とは以下の2つの基準があり、2つのうちどちらかにでも該当する場合には資産管理会社に該当するため、

 この納税猶予制度ができなくなります。

 【資産保有型会社】

  特定資産の合計額 ÷ 総資産価額 ≧ 70%(相続開始直前期の簿価を基に判定)

 【資産運用型会社】

  直前期の特定資産の運用収入 ÷ 直前期の総収入金額 ≧ 75%

  (直前期とは相続開始直前期をいいます) 

 ※特定資産とは下記の資産をいいます。

  ・有価証券等(その中小企業者の特別子会社のうち資産保有型又は資産運用型会社でない会社の株式等を除きます。)

  ・その中小企業者が現に自ら使用していない不動産(遊休地・賃貸用不動産・販売用不動産

  ・ゴルフ場その他の施設の利用に関する権利(事業の用に供することを目的として有するものを除く)

  ・絵画、彫刻、工芸品その他の有形の文化的所産である動産、貴金属及び宝石(事業の用に供する目的のものを除く)

  ・現預金(その代表者及びその同族関係者に対する貸付金及び未収金を含む

 ※特定資産の運用収入は上記特定資産の運用収入をいいますが、特定資産を譲渡した場合は譲渡価額がその運用収入に含まれるのでご注意下さい。

 ※資産管理会社に該当しないとみなされる場合

  上記の2つのどちらかに該当するため資産管理会社とされる場合であっても以下のすべての要件を満たす場合には

  資産管理会社に該当しないとみなされます。

  ・常時使用従業員が5人以上

  ・事務所、店舗等の固定施設を所有又は賃借

  ・相続開始の日まで引き続き3年以上にわたり商品販売等を実地

   ※使用従業員とは厚生年金保険及び健康保険加入者をいいます。

   ※商品販売等とは商品販売、資産貸付、役務提供等をいいます。

   相続税などの対策などの目的で設立した不動産管理会社がありますが、賃貸収入は商品販売等に該当するため要件を

 満たしますが、常時従業員が5人以上の要件の5人には役員が含まれない為すべての要件を満たす会社は少ないと思われます。

4.租税回避行為について

  この特例の適用のための租税回避行為を防止するために、以下の規制が設けられています。

 ①資産保有型会社の判定

  過去5年以内に経営承継人等に支払われた配当や過大役員報酬等に相当する額は、資産保有型会社の判定上、

  特定資産と総資産の額に加算されます。

 ②現物出資又は贈与による租税回避行為の防止

  相続開始前3年以内に経営承継相続人の同族関係者から現物出資又は贈与により取得した資産の合計額の総資産

  に占める割合が70%以上である会社の株式については適用除外となります。

5.事業継続要件

 ①相続税申告期限から5年間の継続要件

  相続税の納税猶予制度では、

  相続税の申告期限の翌日から5年を経過する日

  又は

  経営相続承継人等の死亡の日

   のいずれか早い日までの期間を経営承継期間とし、その期間中の事業継続要件を求めています。

  【主な事業継続要件の内容】

  ・経営承継相続人等が代表者であること

  ・雇用の8割以上を維持していること

  ・相続した対象株式を継続保有していること

  ・上場会社・風俗営業会社・資産管理会社に該当しないこと など

  毎年年1回、経済産業大臣と税務署長に報告義務あり。(怠った場合は納税猶予取り消し)

 ②相続税申告期限から5年経過後の継続要件(打ち切り事由)

  相続税申告期限から5年経過してもまだ縛りはあります。

  納税猶予制度の特例が打ち切られる事由としては

  ・後継者が対象株式等を譲渡した場合

  ・認定対象会社が資産管理会社に該当した場合

  ・認定対象会社が解散した場合

  ・認定対象会社の事業年度中の総収入金額がゼロになった場合

  ・継続届出書を提出しない場合 など

  納税猶予制度は効果が高いかわりに厳しい要件が定められています。要件を満たさなくなれば納税猶予が

  取り消しになります。特に事業継続要件については事前に必ずしっかり検討し、継続可能な場合に納税猶予

制度を受けるようにしましょう。

  また、この制度の要件についてはこの内容がすべてではありません。実際に手続き、判断をする場合には、

  必ずこの制度に精通した税理士の方に依頼することをお勧めします。

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相続税の納税猶予制度に合わせて贈与税についても納税猶予制度があります。

 贈与税の納税猶予制度は、後継者が非上場株式の贈与を受けた場合、一定の要件を満たす際に贈与税の全額について納税猶予されるものです。(後継者が既に保有していた議決権株式等を含め、議決権株式総数の3分の2まで)

 生前贈与により取得した株式について、贈与者死亡の時に相続税の納税猶予制度を受けたい場合には、贈与時において贈与税の納税猶予制度を適用する必要があります。贈与時に相続税精算課税制度を選択適用した場合には、相続税の納税猶予制度の適用ができなくなりますのでご注意下さい。

◇適用要件

 贈与税の納税猶予制度の適用要件は概ね相続税の納税猶予制度と同じですが、贈与という事由から下記の相違があります。

 1.後継者要件

   次の要件が含まれます。

   ①20歳以上であること

   ②役員就任から3年以上経過していること

 2.贈与者

   贈与時における役員退任が要件に含まれます。

 3.贈与者死亡時の取り扱い

   猶予対象株式を相続により取得したとみなし、贈与時価額で相続財産に合算して相続税を計算します。

   その猶予対象株式について相続税納税猶予制度を適用することが可能ですが経済産業大臣の確認が必要ですのでご注意下さい。

 なお、相続時精算課税制度との併用は可能ですので、3分の2までに達する部分について納税猶予制度を受け、残りの3分の1部分について相続時精算課税制度を受けることができます。

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 相続税・贈与税の納税猶予制度の適用にあたっては事業継続要件や資産管理会社に該当するか(将来も)等十分に検討

 する必要があります。

 納税猶予打ち切りになった場合には

 1.相続税の場合

   猶予されていた相続税に合わせて利子税も納める必要があります。

 2.贈与税の場合

   同じく猶予されていた贈与税に合わせて利子税を納める必要があります。

  両者を比較すると打ち切りになったリスクとしては、相続税の場合もともと猶予されなかったら相続税本税は払うものなので

  利子税の支払のみがリスクなのに対し、贈与税の場合は納税猶予されるから実行することを考えると贈与税+利子税が

  リスクとして考えられます。特に贈与税は税率が高いため納税猶予の打ち切りがあると多額の納税が発生する可能性が

  ありますので要件がギリギリな場合などは事前に十分に検討するようにしてください。

  ただ、やみくもに恐れてせっかくの納税猶予制度を使わないということはもったいないと思います。事前にしっかり検討して

 大丈夫と思えば積極的に使っていくことをお勧めします。

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