相続人に未成年者の方がいる場合─遺産分割と未成年者控除─

相続人が未成年の場合相続人の中に未成年者がいる場合に気を付けることはありますか?

 

相続人が未成年の場合相続人の中に未成年者がいる場合にはケースによって特別代理人を選定する必要があります。また相続税においては未成年者控除の適用があります

 

□遺産分割においての留意点

 未成年者が法律行為をするにはその未成年者の法定代理人(通常は両親)の同意を得なければならないとされていますので、未成年者が相続人の相続の遺産分割協議を行う場合にはその親権者が法定代理人となります。

 ただし、一般的に多いケースで相続人の中に未成年者の親も相続人になっている場合は親と子(未成年者)の間は利益相反関係にあるため、その親はその子の代理をすることはできません。この場合にはその未成年者のために特別代理人を選任する必要があります。

 

【ケース別代理人】

@     法定代理人である親も相続人である場合・・・特別代理人

A     親が相続人でなく、相続人である未成年者の子が一人の場合・・・法定代理人

B     親が相続人でなく、相続人である未成年者の子複数の場合・・・1人は法定代理人、その他は特別代理人が必要

 

特別代理人とは?

遺産分割協議における未成年者の代理人のことですが、下記の留意点があります。

@     親権者が家庭裁判所に申し立てる(未成年者の住所地の家庭裁判所)

A     申立の際には遺産分割協議案が必要

B     第三者でも親族(利益相反がある者は除く)でも選任可能

C     家庭裁判所の審判により決定される

上記の中で特に問題となるのは遺産分割協議案で、その未成年者に法定相続分以上の相続がされる内容であれば問題ないのですが、法定相続分に満たない場合には理由を求められます。法定相続分に満たなければ認められないということではないのですが、個々の事情に応じて判断されるものと思われます。

 

 なお、相続人が一人でその相続人が未成年者であった場合には、遺産分割協議自体がないので特別代理人を選任する必要(選任できないと思います)はありません。ただし、預金などの相続手続きで法定代理人や未成年後見人などの代理人による手続きを求められる場合があります。

 

□相続税申告においての留意点

相続税の申告上、未成年者が相続人の場合は未成年者控除というものがあります。

 

計算されたその未成年者の相続税額から下記で計算された金額を控除した金額が納付額になります。

  20歳までにに達するまでの年数(1年未満切り上げ)×10万円

※過去に未成年者控除を受けている場合は一定の調整有

 

※成年年齢の引き下げに伴い令和4年4月1日以降の相続の場合は20歳→18歳になります。

 

未成年者控除の要件

相続開始の時点において20歳未満で法定相続人であることの他に日本国内に住所があることが要件となります。(例外有、詳しくは国税庁HP未成年者の税額控除をご覧ください。)

 

未成年者控除は、相続により財産を取得した場合に適用があるため、まったく財産を相続により取得していない場合は適用がありませんので注意が必要です。また、上記によって計算した未成年者控除が本人から控除しきれない場合(控除額に余りがある場合)は他の相続人(その未成年者の扶養義務者に限る)の相続税額から控除できます。

※扶養義務者・・・配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び3親等内の親族で一定のもの

 

□相続税の申告の押印は誰の印鑑を押せばいい?

 相続税の申告をする際には申告書に押印をしますが、これは実印ではなく認印OKになっています。では相続人が未成年者の場合は誰が印鑑を押すのでしょうか?

 他の税目の申告書も同じですが、税務の申告そのものは法律行為ではなく、通知行為というものになるため遺産分割のような法律行為ではありません。そのため未成年者本人の印鑑(押印)でもいいということになりますが、意思確認という意味では何歳なら大丈夫かという問題もありますので当事務所税理士が税務代理を行う場合には、その未成年者の法定代理人(親権者)の押印をお願いしています。ご自身で申告される際も未成年者の場合は法定代理人が押印していれば問題はないと思います。なお、この場合に申告書に記載する氏名(納税義務者)はその未成年者の氏名になります。


▲相続税の申告TOPに戻る

▲このページのトップに戻る