相続人に障害者の方がいる場合─所得税と相続税の障害者の違い─

相続人が障害者の場合相続人の中に障害者がいる場合の相続税の計算はどのようになるのでしょうか?また相続税を計算する上での障害者は所得税の障害者と同じでしょうか?

相続人が障害者の場合相続税を計算する上で障害者控除が適用できます。また相続税と所得税の障害者の定義は一部異なる部分があります。


相続税法の障害者の定義について

基本的には所得税法の障害者の定義と同じになります。

詳しくは国税庁の障害者控除ご覧ください。

所得税(住民税含む以下同じ)と相続税で違うところは下記になります。

所得税法→常に就床を要し、複雑な介護を要する人

相続税法→常に就床を要し、複雑な介護を要する人のうち、市町村長等の認定を受けている者

※市町村長等・・・市町村長又は特別区の区長(社会福祉法に定める福祉に関する事務所が老人福祉法第5条の4第2項各号に掲げる業務を行っている場合にはその事務所の長

常に就床を要し、複雑な介護を要する人とは?

判定時期(相続では相続開始時)の現況において引き続き6月以上にわたり身体の障害により就床を要し、介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる人をいいます。

所得税においては市町村等の認定まで求められておらず、医師の診断等あれば認められるものと思われますが、相続税の場合は市町村等の認定を要件にしています。


市町村等の認定を受けている者とは?

身体障害者手帳等の交付を受けていない場合でも市町村等による障害者と同等であることの認定を受けることが出来ます。

@所得税での認定の場合

 障害者控除対象者認定申請をして認定書という形でもらうことが出来ます。

 この場合は一般、特別障害者ごとに認定が受けられます。

 ※多くの市町村等においては原則として65歳以上の人を対象にしていますが40歳以上65歳未満の方にも認定をしているところもありますのでご自身の市町村等にご確認ください。

A相続税での認定の場合

 65歳以上又は40歳から65歳未満の方は、上記@の所得税の障害者控除対象者認定書があれば相続税においても同様の判断がされると思います。相続税専用の障害者控除対象者認定書があるかどうかは私自身確認できておりません。市町村によっては所得税と相続税が一緒になった認定書を出しているところがあります。実務でこの案件に該当することがあれば調べてみようと思います。もし65歳未満の場合で市町村長等の認定申請自体が受けられないと言われても相続税法(施行令4の4)に市町村長等の認定を受けている者の記載がある以上認定制度自体はあるはずです。


また所得税と同じように成年被後見人の場合も障害者に該当することになり、この場合は特別障害者に該当します。詳しくは所得税・住民税の障害者控除についてをご覧ください。


障害者控除の要件

障害者に該当し、法定相続人であることの他に日本国内に住所があることが要件となります。(例外有、詳しくは国税庁HP障害者の税額控除をご覧ください。)

 

障害者控除の額

 満85歳に達するまでの年数(1年未満切り上げ)×10万円(特別障害者の場合は20万円)

  ※過去に障害者控除を受けている場合には一定の調整有

  ※年数計算は相続開始から満85歳になるまでの年数


障害者控除は、相続により財産を取得した場合に適用があるため、まったく財産を相続により取得していない場合は適用がありませんので注意が必要です。また、上記によって計算した障害者控除が本人から控除しきれない場合(控除額に余りがある場合)は他の相続人(その障害者の扶養義務者に限る)の相続税額から控除できます。

※扶養義務者・・・配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び3親等内の親族で一定のもの

 

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